こんにちは。よもぎです。
ADHDで困っている皆様も、本や当事者の体験談を読んでも「似てるけど自分は当てはまらないなあ」「同じように行動を変えてみても、何も変わらないなあ」と思った経験はありませんか?特に仕事での困り感は早急に解消したい人も多いと思います。
実は同じADHDの特性があっても、どんなシーンで困り感が出るのかは人によって異なることがあります。困り感を解消するためにはまず自分の特性を知ることが必要不可欠。
今日はそんな、特性と困り感の影響度についてお話したいと思います。
また、質問に答えるだけで『自分の特性や困り感の出やすさ、影響度』がわかるExcelシートを作ったので合わせて紹介します!
ADHD特性と困り感の影響
発達障害者が就労するにあたって最も困難なことはなんだろう?とある日ふと疑問に思いました。発達特性と、困り間の相互の影響は非常に複雑で、自分の気付いてない側面があるのではないかと感じたためです。
そこでまず思いついたことを整理してTwitterで呟いてみました。
就労においての発達障害者の困難は考えうる限りこんな感じかしら。
— よもぎ@ADHD (@yomocracy) 2017年10月9日
・感覚過敏による肉体的な疲れ
・自尊心のなさから来る精神的な疲れ
・不注意によるケアレスミス
・多動によりじっとしていられないストレス
・睡眠障害
・コミュニケーション能力の低さによる人間関係の悪化
このツイートに色々なご意見をお寄せいただき、発達特性と就労における困り感の関連を掘り下げることが出来たので、紹介したいと思います。
ADHD特性と困り感の相互関係
同じADHDの特性を持っていても、困り感を感じるシーンは人それぞれで違うようです。それは、特性の強さの違いはもちろん、元々の性格や、1つの困り感に対し影響のある特性が複数あることが考えられます。
そこで、まずは「代表的な特性」と「起こりやすい困り感」の相関図を作成しました。
複数の特性が複雑に絡んで困り感が発生することがおわかりでしょうか。また、発達障害の特性は、体調不良や寝不足などによってより強く出てしまうという特徴があります。
特性のせいで発生した仕事のミスをカバーするために残業したり、自分を責めたりしてしまうことでさらに心身の疲れが増し、特性の出方が悪化、次のミスを引き起こす...という負のスパイラルに陥りがちです。
また、特性とは別にADHD当事者に起こりがちな「認知の歪み」「二次障害」「感受性の強さ」などによって、必要以上にストレスを感じてしまったり、困り感自体に気付きにくくなるなど改善の障壁になることがあるのです。
具体的に、困り感と特性はどんな関係があるのか
先程の図を見ても「結局具体的にどんな困り感のことを指しているんだろう?」と、イメージしづらい方もいらっしゃると思いますので、具体例を挙げていきます。
まずは「各特性」×「ケアレスミス」を見てみたいと思います。
先程の図で「ケアレスミス」につながる特性は「不注意」「衝動性」「飽きっぽさ」「ワーキングメモリ」となっていたと思います。それぞれ具体的な例を見てみましょう。
特性 | 特性によりケアレスミスが起きやすくなる理由 |
不注意 | ・簡単な間違いを見落としてしまう、気付かない。 ・他の物事に気を取られて集中できなくなる。 |
衝動性 | ・じっくり見直しをしたり、考える前に「できた」と判断してしまう。 |
飽きっぽさ | ・途中で飽きてしまい、集中力を維持できない。 |
ワーキングメモリ | ・間違いに気づいていても、忘れてそのままにしてしまう。 |
いかがでしょうか?思い当たる節はあるでしょうか。同じ不注意が強い当事者同士でも、衝動性も飽きっぽさも強いAさんと、衝動性と飽きっぽさはあまりないBさんとでは、Aさんの方がケアレスミスで困りやすい可能性があります。
逆に同じケアレスミスをしやすい当事者同士でも、不注意・衝動性・飽きっぽさによってケアレスミスをしてしまうAさんと、衝動性とワーキングメモリの小ささでケアレスミスをしてしまうCさんがいるなど、困り感の理由には細かい違いがあることが分かると思います。
以下は、先ほどの図の全ての具体例を一覧にまとめたものです。ご自身の困り感と特性についてぜひ見比べてみていただければと思います。
仕事での困り感を解消するために必要な3ステップ
多くのADHD当事者の方が、お仕事中の困り感に悩まれていると思います。
「だから、どうすればそれが解消できるのかが知りたくてこの記事を読んでるんだけど」というお声が聞こえてきそうです。さて、実際問題どうすればよいのでしょうか?
筆者は、解消のためには以下のステップを踏むことが大切だと考えています。
① 自分で、自分にどんな特性があるのかを理解すること
② その特性によって、どんな困り感が生じているのかを理解すること
③ 困り感ごとに、自分の特性に合わせた改善策を考える、誰かの助けを借りること
同じ困り感を感じていても、原因は人それぞれなので、まずは自分を知っていく=原因を特定することが大切ではないか?ということです。
このステップを踏まなければ、最初に書いたように本や当事者の体験談を読んでも「似てるけど自分は当てはまらないなあ」「同じように行動を変えてみても、何も変わらないなあ」ということになってしまいますよね。
ですが、自分と向き合って、自分を知って、困り感の原因を特定して...という作業には、私の経験上ものすごく時間と労力がかかってしまいます。
特にADHDと診断されたばかりの人は、「特性なのか性格なのか?」など迷うこともたくさんあると思うのです。
簡単に原因は特定できないか?
そこで、先ほどの表を元に、「ADHDあるあるへの共感度」に答えるだけで自分の特性の強さや困り感の生じやすさの一覧を表示するチェックテスト(Excelシート)を作ってみました。
このチェックテストでは、あなたの場合の「特性」×「困り感」への影響度を知ることができます。ご自身の特性や就労において困りやすい点を知るための参考にしていただければ幸いです。
あくまで目安になるものであり、不完全なものではありますが、皆様の困り感の解消の一助になればと思っています。
DownLoad- ADHD-就労における困り感チェックテスト(v1.02)_20171015
【使い方】
質問シートに答えを記入するだけ!結果シートに自動で結果が表示されます。
※PCでExcelを見られる方向けです。動作確認は、Windows10/Microsoft Excel2013でのみ行ってます。それ以外の環境での動作保証ならびにサポートは受けかねます。
※本テストは、ADHD特性の自己認知を助ける目的で、ADHD当事者により作成されました。Twitter上の多くの当事者の意見から作成されたテストであり医学的根拠はありません。自己責任での利用をお願いいたします。また、再配布はご遠慮ください。
原因が整理できている方は?
チェックテストを使って整理してみた方、既に整理がついているよ!という方はいよいよ、自分に合った改善策を考えるステップに入ることができます。
具体的な改善策は、お医者さんへの相談、色んな書籍、当事者の方のブログ、当事者会・SSTやTwitterなどを参考になさるのが良いと思います。
このブログでも、「ADHD対策」のカテゴリで私の工夫を紹介していますので、よろしければご覧になってください。
本日も最後までお読みくださりありがとうございました😊