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病的に眠り過ぎてナルコレプシーの検査を受けた話

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こんにちは、よもぎです。

今日は「眠り過ぎて社会的に死にかけて」ナルコレプシーの検査を受けたお話をします。

実は、私の発達障害がわかるきっかけになったことの1つに「眠りすぎること」がありました。私は、とにかく寝ます。人の何倍も寝ます。のび太くんレベルでいつでもどこでもすぐに眠ります。

中高時代は授業中でも机で健やかに眠るのは当たり前、大学時代は日中学校にはあまり通えずにいました。(大学はそれもあって留年しています)あまりにねむくて電車の中で立ったまま寝たり、歩きながら寝たりしていました。寝るというよりも「意識を失う」の方が正しい表現かもしれません。*1

そんな「眠り過ぎる」ところがあまりに病的で、困難につながっていたことをお話します。

※2017/12/18リライトしました

ナルコレプシーとはどんな病気なのか?

まずはタイトルにある「ナルコレプシー」とは一体何か?というお話をしたいと思います。

NPO法人日本ナルコレプシー協会のHPより症状について引用してみます。

ナルコレプシーは「居眠り病」といわれるようにその最も目立つ症状は、時と場所に関係なく居眠りを一日に何回も繰り返えすことです。 次に、大喜びしたり「やった!」「しめた!」と得意になったときなど喜怒哀楽の感情の激しいとき急に顔や首、手足の力がかくんと抜けるという症状があり、この間意識は正常で周囲の話が理解できます。 この2つの症状が確実にあって何ヶ月も毎日続いていればナルコレプシーの疑いが十分にあります。 他の症状としては、寝入り際に鮮明な怖い夢を見たり体を動かそうとしても動かせないいわゆる金縛りにあう、日中に居眠りをする反面、夜間に熟睡できない等の障害があります。 なお、これらの症状はすべてが同一時期に発症するのではなく時間をおいて発症するのが普通です。

※引用元:http://narukokai.or.jp/about_nalco.html

簡単に言ってしまうと、どんな場でも眠ってしまい、それを自分でコントロールすることができない「居眠り病」「過眠症」のことをいいます。

社会人になってから指摘された「眠り癖」

学生の頃は自己責任で何事も済むため、自由に日中居眠りをしていた上にあまり注意をされたり困ったりしたことはありませんでした。しかし、社会人になってからは居眠りが許されるはずもありません。当然そこには困難が生じるようになります。

新人の頃の研修ではもちろんのこと、昼間のデスク、会議中、来客中、客先、電話中、あらゆるところで寝落ちておりました。相手と1:1でも眠っていたらしいのです。
「らしい」というのは、自分にほとんど自覚がなく、周りに指摘されて知ったからなんですよね。「眠気は感じるけれど、寝ずに堪えている」と自分では思っていたのですが、問いかけても返事がないほどにぐっすり寝ていることが多かったのだそうです。

社会人5年目になったある日、会社のえらい人から突然こう言われました。

「よもぎさん、病院に行ってみたら?」

上記の通り私の就業態度に問題があったのは言わずもがなですが、当時、睡眠時無呼吸症候群の社員が、睡眠不足からくる日中の居眠りが原因で事故にあったこともあり「あなたもそうなんじゃない?」と受診を勧められたんですね。
自覚がないだけに少しショックでもありました。「私ってそんなに寝てる?!」という衝撃は忘れることができません。

睡眠外来の受診、ベタナミンの服薬を開始

言われるがままに睡眠外来を受診したところ「ナルコレプシーの疑いあり」ということでベタナミンというお薬の服薬を開始。

このベタナミンが、まあまあ効きました。眠眠打破や、上位互換の強々打破、激強打破なんてまったく効かずいつでも眠気を感じていた私ですが、服薬を開始してからはあまり寝落ちなくなったんです。

とりあえず服薬しながら仕事をして、後日入院検査を受けることになりました。
当時の睡眠表が残っていますので参考までに掲載します。

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・カケアミの部分が「ぐっすり眠った」
・斜線の部分が「うとうと(舟をこいだり、意識が遠くなったりした)」
・点線の部分が「眠気が強いが、耐えられるレベル」

自覚のある眠気だけを記録しています。忘れてはいけないのは、ベタナミンの服薬をはじめてようやくここまで改善したということです。
当時これでも「あんまり寝なくなったね」と上司にも声を掛けてもらっていたのを覚えています。

ナルコレプシーの検査のために入院

正式にナルコレプシーかどうかを検査するためには、寝ている間に脳波を測定する必要があるそうです。ナルコレプシーの治療薬として「リタリン」を用いるために、正式な脳波検査で確定診断が必要なのだそうです。「リタリン」はコンサータと同じ成分の薬で、麻薬及び向精神薬取締法によって処方のルールが厳しく決められているんですね。

📝関連記事:ADHD治療薬のコンサータの効果や副作用は?服薬開始から1年経過した感想について - 成人ADHDが理想の生活を目指すブログ

 

検査は平日に2日間、泊りで行われました。有休を1日取って、自費で計5万円の出費です。

1日目は、21時就寝6時起床、その間脳波や寝相、いびきなどをモニタリングされます。体中に色んなケーブルを取り付けられて、サイボーグみたいな姿で寝たのが忘れられません。ちなみに私は、検査開始を待たずに寝てしまいました。だってねむくて。

2日目は、再度脳波をはかるケーブルを取り付けられて、2時間おきに20分間昼寝をする、という「昼寝検査」を受けました。計4回。これも全部寝ました。だってねむくて!むしろ、検査以外の時間に寝てはいけない、というルールがつらかった。

衝撃の検査結果

結果は2週間後くらいに出ました。なんと、「グレー」の診断。

「確かにナルコレプシーと思われるほどの強い眠気が認められるが、ナルコレプシー特有の脳波が見られないため、要経過観察」とのことでした。

そうなんです、ナルコレプシーの場合に見られる独特の脳波形が私にはなかったんですね。

「特に前日寝不足でもなかったのに、はじめての場所で多少の緊張がある中、機械を取りつけられても9時間近くぐっすり熟睡している。さらに2日目の昼寝検査でも平均7分で入眠、すべての回(4回)眠っているのは、確実に普通ではない。でも脳波形に異常はないのでナルコレプシーではない」のだそうです。「いつでもどこでもすぐ眠れる人」ということだけが証明されてしまいました。

参考までに脳波検査の結果を掲載します。
検査を開始して0分で入眠し、睡眠効率94%の高品質な眠りで、515分(8時間半)ぐっすり寝ていた記録です...。「お手本のようないい眠りです」という太鼓判付き。

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お医者さんには結論として「過眠体質であり、1日最低10時間寝なくては疲れが取れないのではないか」と言われました。でも、仕事しながら毎日最低10時間も寝ることはほぼ不可能です。
とりあえずベタナミンを飲むことで日中の強い眠気は薄らいでいたので、しばらくは服薬しながら様子を見ることになりました。会社にもそのように報告。

そして、ちょうどこの後やってきた繁忙期により体調を崩してADHDを診察してくれるクリニックに駆け込むことになったのですが、そこで「この眠気もADHD由来の可能性が高い」ことを知ったのです。

ADHD?それともナルコレプシーかな?と思っている方へ

ADHDの診断を受けている方で、過去にナルコレプシーの診断が下りていた方、ナルコレプシー疑いとなる人は意外と多いようです。特に、2008年からリタリンの処方規制が始まるまでは比較的ナルコレプシーの診断も下りやすかったという背景もあるようです。

現在では、私の経緯を見てお分かりの通り、治療のためには確定診断を、そのために検査を受けに行かなくてはなりません。自覚なく意識を失うほどの日中の睡眠障害があっても、私のようにナルコレプシーではない場合も多くあります。
ナルコレプシー由来の眠気か、ADHD由来の眠気か、本当のところを知るためには検査をおすすめします。(時間もお金もかかりますが...)

ただし、ナルコレプシーの場合でも治療のために処方される薬がリタリンであることを忘れてはいけません。コンサータとリタリンは同じ成分の薬です。*2

既にコンサータを服薬しているのに日中の眠気が強いのであれば、主治医の先生に相談してコンサータの容量や飲み方を調整するのが現実的かもしれません。

私は主治医と相談の上、ベタナミンやコンサータの服用で日中の眠気を調整できるようになっていますので、同じように悩んでいる方は是非参考にしていただければと思います。

最後までお読みくださりありがとうございました😊


📖ADHDの診断を受けた時のお話はこちら
診断を受けるまでのお話(1)

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*1:私ってすごい器用だな~!と少々誇らしく思っていた昔の自分は一体。。

*2:コンサータはリタリンの『除法剤』で、効き目の出方や継続時間が異なるものであり、成分は同じ「メチルフェニデート塩酸塩」