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【WAIS-Ⅲ結果別】ADHD対策『ものわすれ編』

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こんにちは、よもぎです。

先日、Twitterで【「特性」×「ライフハック」集約アンケート】」という企画を提案させていただきました。発達当事者のライフハックを集約する目的の企画です。

発達障害は個々人の特性が異なるため、他の当事者のライフハックがそのまま自分に当てはまるとは限りません。事例を参考にしても「何となくしっくりこない」と思ったことはありませんか?

ネット上には色んな当事者のライフハックが散らばっていますが、どんな特性の人が、なぜそれで特性をカバーできるようになったのかまでは書かれていないことが多いですし、すべての情報を自力で拾うのも一筋縄ではいかないのが正直なところではないでしょうか。

そこで、「特性」×「工夫」の情報を集約して公開することで『自分の特性に合ったライフハック』を見つける近道になるのではないかと考えました。

まずは β版として、2018/2/2~2/14の間に回答を募りました。お陰様で多くの方にご賛同いただき、様々なライフハックを集めることが出来ました。

本日はその中の一部を抜粋し、『ものわすれ編』の対策についてご紹介したいと思います。

WAIS-Ⅲ結果別、ADHD対策紹介『ものわすれ編』

回答いただいた対策の内容を、WAIS-Ⅲの結果の特性と合わせてご紹介したいと思います。
※WAIS-Ⅲについての詳細こちら:WAIS-Ⅲとは?(1)

ご自身のWAIS-Ⅲの結果や、自分の特性に似たものがある場合、同じような対策で上手くいくかもしれません。ぜひ参考にしていただければと思います。

貴重な情報をご提供くださった回答者の皆様、誠にありがとうございました!

●作動記憶凸-知覚統合凹(事例紹介-薬の飲み忘れ対策)

【対策の概要】
・携帯に「薬飲んだ?」という名前で毎日アラームをセットしている
・LINEの「リマインくん」を活用して、薬を飲んだらまた翌日薬を飲むようリマインダーをセットする
・外出先で思い出してもすぐ飲めるように肌身離さず持ち歩く
・自宅のドアにホワイトボードを設置、「薬飲んだ?」と書いておく(服薬以外も◎)
 例:「こたつ切った?」「携帯持った?」など→外出前に必ず思い出せる

【振り返り】
「薬飲もう!」と思って台所に行くも大量の皿を見て「ああ、皿洗わなきゃ…」と気がついたら別のことをやっている、など多動ゆえの飲み忘れがあまりにも多いのでなるべく意識を薬を飲むことに近づけること、その機会を増やしたことが習慣づけられた大きなポイントかなと思います。

1年ほど試行錯誤の末、今の形に落ち着いておられるそうです。

この方は、WAIS-Ⅲの結果、作動記憶凸/知覚統合凹の特徴がある方でした。以下のような特性がマッチした結果ではないかと考えられます。

知覚統合凹ならではの苦手要因

×同時処理が苦手
 (関連する下位検査項目:完成・積木・行列
 →薬を飲みたくても、お皿に気を取られてしまう

作動記憶凸ならではの成功要因

◎情報を意味のあるメッセージとして受け取る情報処理能力が高い
 (関連する下位検査項目:算数・数唱・語音・符号・記号)
 →リマインダーのメッセージや、ホワイトボートの言葉を見て気付くことができる

◎正しい順序で処理を行うことができる
 (関連する下位検査項目:算数・数唱・語音・符号)
 →薬を飲んだ後にリマイン君に入力する、など連続するタスクを習慣化できる

全特性共通の成功要因

後で思い出してもすぐ飲めるように肌身離さず薬を持ち歩いている=保険をかけておく、というのも良い対策だと思います。

●言語理解凸-処理速度凹(事例紹介-忘れ物対策)

【対策の概要】
・文字で書いてあると覚えがよいので、スマートフォンに「持っていくもの」のチェックリストをつくり、荷物に入れたらチェックしていくようにした。

【振り返り】
スマートフォンを見れば、なにが必要でなにを準備し終わっているかわかる、という状況をつくることができていると、安心感があります。忘れ物も少なくなりました。

【反省点】
そもそもチェックリストに入れ忘れてしまっているものがある場合だと、そのことはさっぱり思い出せません。リストアップ時点で漏れてしまったものや、急遽必要になったものなどは、よく持っていき損ねてしまいます。

この方は、WAIS-Ⅲの結果、言語理解凸/処理速度凹の特徴がある方でした。以下のような特性がマッチした結果ではないかと考えられます。

処理速度凹ならではの苦手要因

×短期記憶が弱い
 (関連する下位検査項目:算数・語音・符号・記号)
 →チェックリストに入れ忘れると、思い出せない。

言語理解凸ならではの成功要因

◎言葉の意味を理解、推理したり活用する力
 (関連する下位検査項目:単語・類似・知識・理解
 →文字で書いてあると理解・チェック・認識しやすい。

全特性共通の成功要因

スマートフォンに集約している=何か1つの物だけを見ればよい状態を作られているのも良い対策だと思います。

●知覚統合凸/作動記憶凹(事例紹介-持ち物の管理/忘れ物対策)

【対策の概要】
家を出ようとした時に鍵がどこにあるかわからず、遅刻する事が度々あった。
玄関にカゴを置き、帰ってきた時にそこに鍵と手袋を置くようにすると、出掛けに探さなくてよくなった。
玄関前にコートハンガーを置いたところ、脱ぎっぱなしのコートが部屋に散乱することがなくなった。
・コートハンガーのフックにお弁当袋や次の日に持っていきたいものをかけておく事で、忘れ物も軽減。※絶対に忘れてはならないものはドアノブにかける。

【振り返り】
・シンプル
・合理的で習慣化しやすい
・導線に無理がない
・忘れにくく考えなくてもできる
・シングルタスク、手間が少ない

この方は、WAIS-Ⅲの結果、知覚統合凸/作動記憶凹の特徴がある方でした。以下のような特性がマッチした結果ではないかと考えられます。

作動記憶凹ならではの苦手要因

×短期記憶が弱い
 (関連する下位検査項目:算数・語音・符号・記号)
 →帰宅後、鍵をどこに置いたか忘れてしまう。コートを脱ぎっぱなしにしてしまう。

知覚統合凸ならではの成功要因

◎目で見たものを認知する力(特に、鍵・手袋など、それ自体に意味のある物)
 (関連する下位検査項目:完成・配列
◎目で見た視覚イメージから、推理したり思い出す力
 (関連する下位検査項目:行列・配列・組合せ)
 →鍵やお弁当袋などが目に入ったらきちんと持っていくことができる。カゴを見て鍵を入れたり、コートハンガーを見てコートをかけるなど、視覚刺激をキーにして行動につなげられる。

まとめ:対策は自分の特性・原因に合ったものが大切

ADHDの多くが苦手としている「すぐ忘れてしまう」ということについて、三者三様の対策をお寄せいただきました。いかがでしたでしょうか。

初めに触れたとおり、これまではそれぞれの対策が同列に語られることが多かったと思います。今回は、特性ごとの苦手要因・成功要因を合わせて掲載しました。同じ『ADHD対策』でも、全然違う特性をカバーするための対策なのだということがおわかりいただけたのではないでしょうか。

特に、3つ目の事例の振り返りコメントで「忘れにくく考えなくてもできる」とおっしゃられているのが印象的でした。この方法で「考えなくてもできる」というのは、目で見たものの情報処理が得意な知覚統合凸ならではの強みと考えられます。
他の特性にも同様に「自分に合っているから考えなくてもできる」という方法があるので、特性に合った対策の重要性がよくわかる例だなと感じました。

こうやって特性ごとの対策を紹介することで、「これは自分にもできそう」「自分には合わなさそう」「こういうことも苦手だから、工夫を付け加えたらできそうだな」など、対策を考えるヒントにしていただきやすいのではないかと思います。

今後の企画について

試験的なアンケートから、このように結果を取り急ぎまとめさせていただきました。改めまして、アンケートにご協力くださった皆様、誠にありがとうございました。この場を借りて御礼申し上げます。

個人的には有用そうだなと感じていますが、いかがでしたでしょうか。記事へのまとめ方も含め、ぜひ色んなご意見をお寄せいただけると幸いです。

他にも沢山のご回答をいただいていますので、順次まとめていきたいと思います。また、企画自体に反響があればアンケートを少し手直しした上で継続的に回答を募ることも検討しております。

Twitterやこちらへのコメントなどで、ご意見いただけるととても嬉しいです。



本日も最後までお読みくださりありがとうございました😊