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ADHDの私が二次障害から脱するまで(3)

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こんにちは、よもぎです。
前回の続きで、今回いよいよ、二次障害のスパイラルから抜け出すお話です。

前々回:二次障害から脱するまで(1)
前 回:二次障害から脱するまで(2)

二次障害から脱しようと思ったきっかけのお話と、最初の一歩目について紹介していきます。

メンヘラを卒業する。二次障害を克服する決意のきっかけとは

万年死にたかった私が「メンヘラ卒業しよう」と思ったのは25歳くらいの時で、当時付き合っていた彼の言葉がきっかけでした。
彼は私のメンタルの問題にもよく向き合ってくれていて(かなりスパルタでしたが)いろんなヒントをくれた人です。 そのヒントを皆さんにも紹介したいと思います。

今二次障害スパイラルから抜け出したいのに抜け出せずもがいている方の中で、どなたか1人でもハッとする方がいらっしゃれば嬉しいです。

「あなたのことを誰もわかってくれないように、あなたは誰のこともわかっていない」

私が、口癖のように「誰も私のことを理解してない」と泣いていた時のことです。
「じゃあ、あなたは誰かのことを理解してるの?」と問いかけられました。「理解している」とその時私は答えたと思います。

彼「じゃあ、あなたがよく愚痴っている会社の◯◯さん、どんな人?」

私「◯◯さんは、自分が一番大切で、自分さえよければそれでいい人。いつも周りを振り回して幸せそうに生きてる人」

彼「その◯◯さん、実は治らない難病を抱えてるの知ってる?」


私「えっ?そうなの?!」


彼「嘘だよ。でも本当かもしれない。あなたから見て何不自由なく幸せに暮らしているように見える人でも、実は誰にも見せていないだけで抱えてる問題があるかもしれない。毎日泣いて暮らしてるかもしれない。見せない限り、他人には見えない。よもぎが誰にもわかってもらえない、と思うのは本当のよもぎを見せないから当然のこと。皆同じなんだよ」


このときも目が覚めるような思いだったのを今でも覚えています。前回の記事で書いていたような、誰にもわかってもらえない孤独感というのは、自分から作り出していたものであることを自覚しました。そして、それは誰にでもあり得ることで、誰しもが隠して生きているかもしれない、自分と同じように苦しいのに、毎日幸せそうに頑張って生きている人もまた存在するのだと衝撃を受けました。

「死にたいと思う人と、未来を共に生きたい人はいない」

これは私が2回目の自殺未遂をして死ねず、彼に泣きついた時に言われた言葉です。

「死にたいと思うということは、未来を生きようとしていないということだよね。そういう人と共に生きたいと思う人はいないよ。パートナーであれ、友達であれ、同じこと。理解してくれる人がいないと嘆くのならば、まずは生きようとしない限り、あなたに寄り添ってくれる人は現れない。」


これにはハッとしました。当時、彼と結婚するつもりでいたからです。その相手に、「死にたい=未来を生きるつもりがない=一緒にいたいと思わない」と告げられたので、深く刺さりました。

「確かにそうだな。逆に言えば、私がこの人と一緒にいたいと思う気持ちは、未来を生きたいという気持ちなんだ。私は生きることを選びたい」と思うようになりました。

◯◯をしたい、誰かと一緒にいたい、という「何かを求める気持ち」は「未来を生きたい」というシンプルな気持ちと等しいんですよね。

「人は自分の思う通りに生きている。生きるためには犠牲が必要」

これは何度も言われて、何度も反発した言葉でもあります。
「人は自分の思う通りにしか生きられない。今よもぎは自分の人生が不満かもしれないけれど、それは深層心理でよもぎが望んでることだ」
私はこんな状況望んでなんかいない!と何度も反発しましたが、何度も言われました。

彼「じゃあどうして変わろうとしないの?変わる一歩を踏み出そうとしないの?今みたいに泣いて暮らす方があなたにとって楽だからだよ。変わろうとすることには勇気がいる。努力もいる。それを『しない』選択をしてるのは誰でもないよもぎ自身」

私「努力は今だってしてる!ずっと私は頑張ってる!でも報われないからもう頑張りたくない。こんなにずっと我慢してきたのだから、少しくらい皆が私に歩み寄ってくれてもいいじゃん」

彼「変わるための勇気を出さない、労力も使いたくない、だけど幸せになれるなんてことはない。勇気を出すから、それだけ労力を費やすから、皆が歩み寄ってくれる。今の努力は方向性が間違っている。方向性さえ正しく努力が出来れば、人生は自分の思う通りになる


当時はすんなり受け止めることができなかった言葉でしたが、時間をかけて彼は何度も根気強く言ってくれました。

私はなぜ死のうとしたのか?それは自分の思う通りにならない人生への悲嘆であって、本当は普通の幸せを得たいのだと気付きました。
私にとって普通の幸せとは、多少辛いこともありつつも、小さいことを幸せだと感じられる。一緒にいて心安らぐ家族、友達と、それを共有できることでした。

「人生は自分の思う通りになる」ずっときれいごとだと思っていましたが、彼との対話を重ね、歳を重ねるごとに、幸せを得たい。変わってみたい。踏み出してみよう。と思うようになっていました。

二次障害克服のために具体的に何をすればいい?

いよいよ一歩を踏み出す決意をした私でしたが、早速壁にぶち当たります。

「自分を許す」「本当の自分を受け入れる」「ポジティブシンキング」

皆さんも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
メンタルヘルス関連の本やカウンセリングで、『メンタルヘルスの悩みを解決する方法』としてよく聞く言葉です。正直に言うと、過去の私は「これって具体的に何すればいいの?どういうこと?」としか思えなかったんです。

例えば、「嫉妬深い自分を許そう!」と心で思ったって、人をすぐに妬んでしまう自分は変わらないし、「嫉妬は醜い感情だ」「できれば嫉妬しない人間になりたい」という思いも変わりません。つまり何も変わらないわけです。

色んな本を読みましたが、「結局は気持ちの持ちようってことじゃん」「私はそんなことじゃ何も変わらないや、やっぱりだめなんだ」と自信をなくすばかりでした。

今になって思うと、当時の私にはそれができなくて当然だったんです!
もし同じように苦しんでいる方がいらっしゃるなら、安心してほしいと思います。私がそうであったように、必ず道は拓けます。

二次障害を治すための、3つの段階

先程「できなくて当然だった」と書きました。それはなぜかというと、何事にも順序、段階というものがあるからです。

「自分を許す」「本当の自分を受け入れる」「ポジティブシンキング」

これって実は、かなりメンタル問題が解決に進んだ段階ではじめて効力を発揮することだと思うのです。事実として私はそうでした。過去の私と同じように疑問や違和感を抱く方は、実はもっと手前の段階でつまずいている可能性があります。

メンタルの問題解決には、以下の3つの段階があると考えています。

1. 自分を知り、自己認知を深める
2. 自分を許し、自尊心を高める
3. なりたい自分を思い描く


上にも書いた通り、多くの人は「1.自分を知り、自己認知を深める」でつまずいているのではないかと思いますので、今回は最初の1段階についてお話したいと思います。

自分を知り、自己認知を深める

常々ブログで書いているのですが、多くの二次障害の根底には「自尊心」の問題が隠れていると考えています。自尊心が地の底まで低下していると、本当の自分を自分で認識できなくなってしまいます。自分自身を知らなければ、許すも何も、何を許せばいいのかわかりませんよね。

参考記事:ADHDの自尊心が低くなるのはなぜなのか? - 成人ADHDが理想の生活を目指すブログ


では「自分を知る」とは何なのか?具体的な説明と、私が行った方法の概要を紹介していきます。

ノートで整理する本当の自分

自尊心が低下していると、これ以上傷つかないようにあの手この手で心を守ろうとします。心理学においては「防衛機制」と呼びます。
これから行うのは、「あの手この手」の殻に守られた本当の自分を引っ張り出す作業です。自分がどんなことを嫌だと感じるのか、何がつらいのかを限界まで掘り下げていきましょう。ゆっくりマイペースで構いません。

視覚優位の私がお勧めするのは、ノートに書きだす方法です。
(「デスノート」と呼んでいます。)モヤモヤやイライラがあったら、とにかく書きなぐり、それを元に後から自分の殻を剥いでいくという手順です。

STEP1.まずはとにかく気持ちを書きなぐる

誰にも見せないので、放送コードに引っかかっていても、言葉遣いが悪くても、字が汚くてもOKです。理論が破たんしていても、日本語になっていなくても問題ありません。絵でもいい。とにかく書式や内容にこだわらずに自由に書くことがルールです。

▼自分の気持ちを書き出すにあたって、どうやったらいいかわからない、不安だなという方はこちらもぜひ参考にしてください。(私も買って使いました)

STEP2.客観的事実として見る

落ち着いたら、ノートを読み返します。数日後でも、数週間後でもOKです。正直私は、はじめの頃は読み返せませんでした。恥ずかしかったり、嫌なことを思い出して苦しくなったり。読み返すのがあまりに辛い時は無理しなくてOKです。STEP1に戻ってひたすらつづり続けましょう。

なぜ読み返すのかというと、自分が何が嫌なのか、どんな気持ちになるのか、粗削りですがそこに「自分自身の姿」が書かれてるからです。

▼実際の私のデスノートf:id:yomocracy:20171208153752j:plain

それを見て「そうだ、私って◯◯が嫌いなんだよね」と考えてください。声に出したりメモしたりしてもいいです。大切なのは、自分がどんなことで嫌な気持ち、つらい気持ちになるのかを知ることです。

理由は今はわからなくていいです。そこに罪悪感を持つ必要もありません。ただの事実として、「なんでかわからないけど、私は◯◯が嫌だ」ということを自分で覚えておきましょう。

STEP3.掘り下げて本質を知る

STEP1~2を繰り返していくと、不思議と何度も同じ「◯◯」が出てくると思います。そうしたら、よく出てくる「◯◯」から順に少しずつ掘り下げます。
「◯◯の何が特に嫌なの?」に注目しましょう。必ず「□□が特に嫌だ」「△△だから嫌」などの要素が出てきます。どんどん自分の地雷を掘り出していきましょう。

掘り出した地雷にはくりかえし「なんで?」と聞いてみます。必ず理由が出てきます。その理由にもさらに「なんで?」と聞いてみましょう。それ以上理由が出てこなくなったら、最後に出てきたのが「自分の嫌なことの本質」です。

「自分の嫌なことの本質」を知ることが、「自分を知ること」です。

自分と向き合い、掘り下げる作業は何度も繰り返し行うことが肝心

当然ですが、心を強く閉ざしている人ほど発掘作業は難航します。時にカウンセラーなどプロの力を借りたり、本を読んだり、家族や友人、ネットで知り合う赤の他人など色んな人に協力してもらう方が進みが早いです。とにかく辛いし時間はかかりますが、それが一番の近道だと思います。

私はこの作業がそれほど大切だと思わず、勧められてはじめた「自分との向き合い」も、当初はあまり真剣に取り組んでいませんでした。意味ないと投げ出してやめていた時期もあります。ですが結果的に見ると、最も効果があったのはこの作業だったことをお伝えしたいと思います。寄り道をしたのでトータルで3年くらいかかりましたが、本格的に飲み込めるようになってからは半年くらいでここまでたどり着きました。

深く自分を知ることで、自然とメンタル改善につながっていく

二次障害を脱したと思えるようになった今でも欠かせない習慣です。むしろ今の方が真剣に取り組んでいるかもしれないくらいです。

最初に書いたように、「自尊心が地の底まで低下していると、本当の自分を自分で認識できなくなってしまう」ので、最後まで掘り返したな、と思っていてもまだその先があることに気付けなかったりするんです。

これだ!と思った自分の本質を見つけても、時間が経ってからもう一度掘り返してみると、さらに奥深くに隠れた本質が見つかることもあります。自分と向き合えるようになってはじめて、カウンセリングや認知行動療法の本などの効果が出てくるようになりました。


自分を許すために、自分を知る。自然と変われるまで続けよう

初めに書いた、「自分を許す」「本当の自分を受け入れる」「ポジティブシンキング」
これがすんなり自分の中に入ってこないうちは、まだ掘り下げが足りないと考えて差し支えないと思います。自分の本質を知ることができてくると、だんだん「自分を許す」とは何か、感覚がつかめるようになってきます。

何を許せばいいのかすらわからなかったところが、明確になるからです。本質を知れば知るほど、これが明確になるので、不思議とすんなり頭に入ってくるようになります。

今日は本当に一歩目、だけど一番大事なフェーズについてだけ書きました。
私は「自分を許す」「ポジティブシンキング」についても並行して取り組んでいきました。1つ1つの紹介は、また改めて機会を設けたいと思いますので、機会があれば合わせてご覧ください。

本日も最後までお読みくださりありがとうございました😊