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自分のWAIS-Ⅲの結果をさらに詳しく掘り下げた

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こんにちは。よもぎです。
実は病院を転院しまして、その際にWAIS-Ⅲの結果を初めてお医者様から説明してもらったので、公表します。
WAIS-Ⅲとは?それぞれの項目は何を指しているの?という部分については、ぜひこちらの記事をご覧ください。
WAIS-Ⅲとは?(1)
WAIS-Ⅲとは?(2)

WAIS-Ⅲの結果をあまり詳しく教えてもらえないという方や、見方がわからないという方に参考にしていただければと思います。

WAIS-Ⅲの結果(再掲)

よもぎの検査結果を再掲します。

全検査(FIQ) 言語性(VIQ) 動作性(PIQ) 群指数
言語理解(VC) 作動記憶(WM) 知覚統合(PO) 処理速度(PS)
130 125 131 131 113 125 121

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下位検査項目も含めてグラフにしてみました。なんとなく凸凹の傾向はお分かりいただけるかなと思います。各項目の解説は次項以降順次行います。

群指数の分析

前回の記事でも書きましたが、群指数の凸凹も1つのADHD傾向を見るヒントになります。改めて自分の結果を見つめなおしてみます。

群指数の数値

●言語理解(VC):131
まさかこれが一番高くなるとは思っていませんでした。
でも、これが高かったことこそが、このブログを始めたきっかけになりました。自分では好きなことではないけれど、人よりも得意なことなら何かに活かせないかな、伸ばしていけないかな、と思ったのです。

●作動記憶(WM):113
「そりゃそうだ」という結果。でも、これも113ということで一般平均の範囲です。自分の苦手意識がさらに足を引っ張ってるから、実生活で上手く行っていないのでは?と思いました。ただ、後述しますが、ここには自分の「注意力」「ワーキングメモリ」よりも重大な短所が隠れていました。

●知覚統合(PO):125
これが低かったのも、私にとってはとても意外でした。知覚統合の『完成』『積木』『行列』はどれも「結構完璧にできた」と思っていたからです。
実はこれも私の重大な短所のせいでこの数値になっていることがわかります。

●処理速度(PS):121
これは「ふーん」という感じです。好きでもないし嫌いでもない、得意でもないけど苦手でもない、自分のフラットな部分だと思いました。こちらも後述しますが、下位検査項目の結果から、その感想はその通りだということがわかります。

群指数の差

群指数の差は最大18ありました。
通常、群指数の中で一番高い数値を「わたしの能力」と認知するのだそうです。一番良い姿を「自分」として認知するということですね。
私の場合は、自分で自分を「IQ131くらい」と認識しているわけです。(確かに自信家なので、あながち間違いでもない?!笑)

ですが、他人からは通常、群指数の中で一番低い数値を「わたしの能力」と認知されてしまう。人の悪い所ばかり目につく、というあれですね。私の場合は他人からは「IQ113くらい」と思われているのです。

すでに認知のゆがみが生まれていますね。
もし「自分は過小評価されている」と感じる人がいるのであれば、この群指数の差=認知のゆがみになっていないでしょうか?

この情報は私にとっても新しい発見でした!

下位検査項目の分析

下位検査項目もじっくり見ていきます。ここには新しい発見が沢山ありました!!
前の病院では本当に数値をスマホのカメラで撮らせてもらっただけでなんの説明も受けられませんでした。新しい病院にその数値を見せたところ、「数値のみの判断になるけど、ちょっと説明してあげるね」と色々教えてもらえたのです。第一声は「ある意味典型的なADHDといえる数値のばらつきだね」とのこと。

この時の説明で新しい自分の傾向を知ることが出来ました。これが「下位検査項目は絶対に詳しく教えてもらった方がいい」と言っている所以です。

大事なのは自分の平均値

下位検査項目の一般的な平均値は「10」です。でも、自分の特性を知る上で重要なのは「自分の平均値」です。私の場合は平均値「14」になります。これが私の「スタンダードな能力値」なわけですね!

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平均値「14」の項目:『符号』『記号』『組合』

ご存知の方もいらっしゃると思いますが、私は一般企業で一般就労、一人暮らしですが、特に大きな問題なく過ごせています。
これは私の「処理速度」を表す『符号』『記号』が共に14であることが大きな理由になるそうです。

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「処理速度」は「目で見た情報を正確に処理する(体の動きも含め)能力」を指すので、これが私にとっての平均値と同じであったこと、14という数値は、一般的平均「10」以上であるということから、「仕事や家事のできる人」になれるのだそうです。実際の結果も出るし、周りからもそう評価されるのだそう。

平均以下の項目:『算数』『数唱』『完成』『行列』

「作動記憶」グループから2つ、「知覚統合」グループから2つですね。
ここから、私の短所がわかります。

一般的には「作動記憶が低い=ワーキングメモリが小さい」「知覚統合が低い=目で見た情報の理解力が低い」となるのでしょうが、なんと、違う角度の分析結果が出ました。

まず、『算数』『数唱』『行列』に共通しているのは、「意味のない、つまらないことを淡々と処理する」です。この項目の数値が低い理由はただ一つ「飽きっぽい」から。

自分で「意味ないな、つまらないな」と感じたことに対して、興味レベルがぐっと下がり脳みそがスリープ状態になってしまうのだそう...。そうすると当然上手く対応できなくなってしまい、点数が下がるわけです。

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私の場合は同じ「作動記憶」グループでも『語音』が15で高く、「知覚統合」グループでは『積木』が満点に近い18です。だから単純にそれぞれ「作動記憶」「知覚統合」の能力が低いとは言えない。このグループ内凸凹が、まさに「興味のあることかないことか」の差ではないかという指摘でした。ぐうの音も出ません....

そして最後に『完成』ですが、これが苦手な人は「早合点しやすい傾向にある」そうです。特に、私の場合は他の数値が全体的に高いからこそ、勝手に「こうだろう」と決めつけて回答する癖があると。身に覚えがありすぎます。

これを総合してみてみると、私の短所となる特性は「飽きっぽく、興味のなくなったことに集中できない」「早合点しやすい*1となります。
仕事においては他者から「好きじゃないことに対しては途端に手を抜くし、すぐ早合点して突っ走る、使いにくいタイプ」と評価されると言い換えられますね。ストンと腑に落ちました。嬉しいやら、悲しいやら。

平均以上の項目:『積木』『配列』『理解』『単語』『類似』『語音』

一番点が高かったのは『積木』の18点です。この項目が高い人は「1つの課題を分析し、1度バラバラにして再統合する」のが得意なのだそうです。

実は、これは今の私の仕事にぴったり合っています。
私のメインの仕事は、「商品を売るためにどうしたらいいのか?」を考える仕事です。売上分析、マーケット調査、販売促進企画の作成、実行までの一連のプロセスを行います。まさに「商品を売る」という課題に対し、「分析し、アプローチを分けた企画を作り、それぞれ実行する」という再統合を行っています。

これは偶然ではありません。
今の職場で仕事をする中で、「なんかこいつ、これをやらせたらやけに結果を出すな、報告書の提出期限は守れないくせに...」的な感じで与えてもらっている仕事だからです。
もちろん環境にも恵まれていますし、そのチャンスを得られるだけの頑張りの結果でもあると、自分を認めてあげたいと思います。

また、『配列』『理解』では、「周りで起こっている物事を理解する力」「その中状況の中で自分がどうすべきか判断し、学ぶ力」「物事の進展や、他者と自分の関りを判断する力」がわかるのだそうです。私はこれが平均より高いため、ASDグレーの特性をカバーできている可能性が出てきました!!*2
この項目が高いからASDをカバーできているのか、ASDグレーだからこの項目が高く出るのかの相関関係は不明です...。

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まとめ

自分のADHD特性の中でおそらくもっとも問題になってくるのが「飽きっぽく、興味のなくなったことに集中できない」「早合点しやすい」の2点ということがわかったのがとても大きな収穫でした。やはり自分ではここまで落とし込めなかったです。WAIS-Ⅲは、ちゃんと説明を受けないと損だとよくわかりました。
今後はこの2点にもよりフォーカスして対策を立てていきたいと考えています。

受けっぱなしという方は、数値からだけでも考察してくださるお医者さんや心理士さんを探すのもいいかもしれません。そういう専門機関を頼れない場合でも、やはり下位検査項目がなければ自分でも自分のことを知る機会を得られなくなってしまいますし、大事ですね。

上記はあくまで私のWAISの結果で、ADHDの特性以外にも認知特性や、ASDの特性が絡んで出た結果です。そのため、数値が全く同じ人がいたとしても原因まで全く同じという人はいないと思われます。それでも似た傾向の方がいらっしゃれば参考にしていただけると嬉しいです。

本日も最後までお読みくださりありがとうございました😊

*1:正直これは衝動性も絡んでいそう

*2:私は、ADHDの他に、ASDの特性もグレーと見られています。(簡易スクリーニングテストでは、ボーダーを超えています)